Webライターが収入を得る手段の1つに、『クラウドソーシングサイトでの案件獲得』があります。
クライアント(依頼主)が出した記事執筆の依頼を受けて、その報酬を受け取る仕組みです。
しかし、以前よりクラウドソーシングサイトには、Webライターの労力を悪質に搾取する案件が蔓延っており、それは未だに改善されていません。
僕はかつて、その搾取案件に引っかかってしまい、イタい失敗をしました。
本記事ではその体験談を綴るとともに、Webライターが搾取案件の被害に遭わないために必要なことを解説していきます。
初心者ほど搾取されやすい
クラウドソーシングサイトに存在する搾取案件は、初心者であるほどその被害に遭いやすいという事実があります。
その主な理由としては、初心者はなかなか案件を獲得できないという点が挙げられます。
クラウドソーシングサイトでは、初心者~ベテランまで数多くのWebライターが案件を狙って参加しています。
クライアント(依頼主)はできるだけ高レベルなWebライターに記事を執筆してほしいと思っているので、支払う報酬額が同じで初心者とベテランがいるなら、当然ベテランに依頼します。
そうなると初心者は案件を逃してしまい、なかなか収入に繋がりません。
ベテランのWebライターは基本的に報酬額の高い高単価案件を狙うので、初心者がそこに闘いを挑んでもまず勝てないのが現状。
残る案件は報酬額の低い案件ばかりですが、そうした低単価なものこそ搾取案件が並びやすいのです。
しかし、初心者にとってはそれも収入の1つになるので、請け負ってしまう…という実体があります。
搾取案件の種類
『搾取案件』とひとくちに言っても、その種類は様々です。
具体的には、以下の要素があるものは搾取案件と呼べるでしょう。
・報酬額がとても低い
・クライアントが高圧的
・低額なテストライティング
・何度も修正をさせてくる
それぞれ深掘りしていきます。
報酬額がとても低い
案件にはそれぞれ報酬額が設定されており、依頼を完了すればクライアントからWebライターへその金額が支払われます。
報酬額はクライアントが決めますが、搾取案件はこの報酬が非常に低い金額となっていることが多々あります。
具体的な金額でいうと、文字単価(1文字あたりの金額)が0.1円以下の案件は、搾取されていると考えた方がいいでしょう。
もちろん0.1円以下だと全てが搾取案件とは言えません。
しかし、仮に1000字書いても100円にしかならないというのは、Webライターにとってかなりの負担です。
安月給で馬車馬のように働かせるブラック企業を思い浮かべてみましょう。
Webライターにも、同じことが起きうるのです。
クライアントが高圧的
クライアントとWebライターは、依頼を出す側と受ける側の関係ですが、あくまで両者のパワーバランスはイーブンです。
しかし中には、明らかに偉そうな態度を取ってきたり、中傷めいた発言をしてくるクライアントがいます。
彼等は自分達の方が金を出すのだから、立場が上だと勘違いしているのです。
こうしたクライアントの案件は、手間ばかりかかって適切なリターンが見込めないものばかり。
散々振り回されて、嫌な思いばかりして、報酬の支払いが大きく遅れたり最悪の場合踏み倒されるケースも。
良いことが1つもない、まさに搾取と言えます。
低額なテストライティング
クラウドソーシングサイトに出されている案件の中には、『テストライティング』と称してWebライターの実力を試すものがあります。
クライアントはこの出来栄え次第で、本採用として高額な報酬の案件を改めて依頼するか、不採用で契約を終了させます。
搾取案件は、本採用された際の依頼における報酬を高額であると見せておいて、テストライティングは非常に低額に設定します。
一見すると高単価な案件なので、それをエサに多くのWebライターを集め、テストライティングとして記事を書かせる。
そしてタダ同然で記事を手に入れて、あとは不採用として切り捨てる…ということを繰り返すのです。
見方次第では詐欺とも取れる手法ですが、こうした行為を平然と行うクライアントは少なくありません。
何度も修正をさせてくる
搾取案件は、細かい点まで何度もWebライターへ修正させてきます。
その割に報酬は低い場合が多く、求めるクオリティと支払う金額が明らかに不釣り合いなことが珍しくありません。
依頼時に「修正に応じなければ報酬は支払わない」などという規定を作っている案件は、注意しておかなければなりません。
「修正は2回までお願いする」などと、あらかじめ回数の規定を作っている案件の方が、信頼性は高いです。
搾取案件に当たってしまった体験談
僕が搾取案件に引っかかったのは、Webライター初心者の頃です。
案件がなかなか獲得できず、たびたび安い報酬の案件を請け負っていました。
まさにここまで解説してきた、搾取されやすい状況に置かれていたのです。
ある日、「漫画やアニメをネタバレを含め詳細に解説する」という案件を請け負うことに。
はじめにテストライティングに合格することが必要と言われたのですが、報酬はわずか数百円にも関わらず、文字数や作成のルールがあまりに細かく設定されておりとても手間がかかりました。
その上、修正を何度も求められ、作業量は明らかに報酬に釣り合っていないものに。
クライアントもそれが当然という感じで終始接してきたため、依頼を請け負ったことをとても後悔しました。
結局、3日間をほぼフルタイム(1日あたり約8時間)使って報酬は数百円、とブラック企業も顔負けの仕事をしてしまいました。
搾取案件から身を守るために必要なこと
クラウドソーシングサイトに蔓延る搾取案件は、残念ながら今後も根絶されることはほぼないと考えられます。
何故なら、たとえ搾取案件でもWebライターにとっては収入になるので、請け負ってしまう人が一定数いるから。
請け負うWebライターが皆無になれば自然消滅するだけですが、そうならない以上は存在し続けるでしょう。
では、自分が搾取案件の被害に遭わないようにするには、どうしたらいいのか。
僕の経験上、以下の心構えと行動が必要です。
・自分を安売りしない
・応募前にクライアントの情報は全てチェックする
・提案後に怪しい雰囲気を感じたら迷わず辞退する
自分を安売りしない
Webライターとしてやっていく上で、常に意識しておいてほしいことです。
自分を安売りするのは簡単ですが、それをやると悪質なクライアントに食い物にされてしまうだけです。
自分の労力に見合った報酬を受け取ることは、どんな仕事でも当たり前にあるべき権利。
たとえ初心者のうちでも、仕事として請け負うプロなのですから、正当な報酬を受け取りましょう。
具体的には、最低でも文字単価0.3円以上の案件を目安にすることをおすすめします。
案件を獲得しやすくするためには、常にWebライティングスキルを磨くことも欠かせません。
応募前にクライアントの情報は全てチェックする
クライアントの評価は、過去に案件を請け負った人達が行っており、閲覧することが可能です。
また、その中で継続して案件を請け負った人がどれくらいいるかも、重要な指標。
いずれも単発(1回のみ)で終わっているなら、それだけ割に合わない酷い案件だった可能性が高いです。
また、クライアント自身のプロフィールや実績などの情報から、どんな人なのかをチェックすることも必要です。
もし嫌な感じがすれば、それは悪質で搾取してくるクライアントの可能性があります。
少しでも違和感を覚えるところがあれば、避けた方が無難でしょう。
やり取りの際に怪しい雰囲気を感じたら迷わず辞退する
依頼を正式に請け負う前に、クライアントと詳細の確認などで、メッセージのやり取りをすることとなります。
もしこの際にクライアントの言っていることが不穏に感じたり、提示されていた依頼内容と会わない説明があったら、迷わず辞退するべきです。
請け負った後に無茶な注文や、理不尽な要求をしてくる可能性が高いからです。
他にもレスポンスが遅いとか、言葉遣いが雑だったりと、やり取りの中でクライアントに疑問を持つ点が出てきたら、それは避けてOKです。
Webライターとしての活動を諦めず続けよう
Webライターをしていく中で、搾取されるリスクは常に付きまといます。
クオリティを抜きにすれば誰でもできてしまう仕事なので、Webライターも依頼するクライアントも、双方にいい加減な人が多いのは事実です。
なかなか稼げない割に気を付けなければならないことが多く、辞めたくなることも多々あるでしょう。
しかし、そうした苦労をしつつも経験を積み重ねていくことで、成長し稼げるWebライターになっていきます。
多くの人が途中で諦めて消えていくので、続けていれば成功のチャンスはいくらでもあります。
ぜひこのことを心に留めておいて、Webライターを続けてくださいね。